超音波洗浄について1

<< キャビテーションと洗浄効果 >>

超音波洗浄に関係した人であれば、
「キャビテーション」という言葉を聞いたり、
読んだりしたことがある筈です。
ところが超音波洗浄技術の関係書籍を見ると、
それぞれの著者が勝手な意味合いでこの言葉を
洗浄効果の原因として使用しています。

キャビテーションと洗浄効果の関係がはっきりしていないのです。

何故このようなことが起きるのか。
その原因は、
超音波洗浄効果の主要因が「キャビテーション」ではなく
音響流」にあることにあります。

そこで今回は、これまでの非線形現象の動きの構造をもとに、
キャビテーションと音響流の関係が
どのように洗浄効果につながるのかということを説明します。

超音波洗浄機において、
基本的な動きの構成要素は、キャビテーションです。

多くの説明にあるように、キャビテーションは振動現象です。
洗浄対象物の表面で、汚れをキャビテーションで、粉砕・分解しても、
表面から汚れが離れるようになる理由にはなりません。

しかし、現実には適切な条件設定を行うと
表面から汚れが離れていく流れが発生します。

この流れが、音響流です。

音響流の流れは非常に複雑です。論理的理解だけでは応用できません。
論理と経験で実験確認しながら、洗浄に適して音響流の設定を実現することが
洗浄ノウハウになります。

そのためには、
超音波発振制御プローブによる超音波発振と、
音圧測定解析システムによる、音圧測定解析評価が重要です。

言葉では説明できない事項ですが、
適切な音響流の設定による洗浄効果を経験をすると、
より良い設定の追求により、
対象物の変化や環境変化に応じた、洗浄方法の改善が可能になります。

具体的な対応として、
音響流を認識して、
超音波洗浄の観察・評価・検討をしながら
オリジナル超音波洗浄モデルの開発を推奨します。

<< 超音波制御   >>

シャノンのジャグリング定理を応用した「超音波制御」方法

水槽と超音波出力の話の次は、
液循環と超音波制御の話、というのが自然の流れですが、
制御に関心が集中し、水槽構造・製造方法により、
超音波の状態は大きく変わることを忘れてしまう危険が増大します。

そこで、まず大切な最適化に関する論理をざっと眺めておくことにします。

超音波システム研究所は、
シャノンのジャグリング定理を応用した「超音波制御」方法を開発し
コンサルティング提案・実施対応を行っています。

超音波照射による振動現象を 安定して効率よく利用するためには
超音波発振機や振動子以外の条件に関する
相互作用を考慮した検討や開発が必要です。

水槽や液循環・・・の影響も大きいのですが
現在使用中の超音波を効率用利用するための
単純ですが大きな改善が可能な
アイデアと方法を紹介します
( 具体例や実績は多数あります
20cc-4000リットルまで対応実績があります )

この制御は簡単で、非常に効率が高いので是非利用してください
省エネルギーにもなります、
広く普及させたいと考えています 特許申請は行いません
(インターネットで公開し類似の特許が登録されないようにしています)

詳細については「 超音波システム研究所 」にお問い合わせください
単純ですが、個別の要因(水槽、伝搬対象物、・・)により
適切な設定(出力・流量・時間・・・)が必要です。

<制御について>

各種データの時系列変化の様子を解析・評価して、
時間で移動するボールのジャグリング状態に相当する
超音波伝搬現象の「サイクル」と、「影響範囲」を見つけます
(「サイクル」「影響範囲」をうまく説明する言葉が見つかりません)

この関係性からボールN個のジャグリング状態を設定して制御を行うと、
システムの状態に適した制御となり、効率の高い超音波システムとなります


<< シャノンのジャグリング定理の応用 >>

注:JUGGLING THEOREM proposed by Claude E. Shannon

シャノンのジャグリング定理

( F + D ) * H = ( V + D ) * N

F : ボールの滞空時間(Flight time)
D : 手中にある時間(Dwelling time)
H : 手の数(Hands)
V : 手が空っぽの時間(Vacant time)
N : ボールの数(Number of balls)

<< 応用 >>

F : 超音波の発振・出力時間
D : 循環ポンプの運転時間
H : 基本サイクル(キャビテーション・加速度のピークの発生する)
V : 脱気(マイクロバブル発生液循環)装置の運転時間
N : 超音波(発振)周波数の異なる振動子の数

単調な設定(ON時間、OFF時間を同じにする・・)では、
各種の振動モードに共振する状態が重なり
低周波の大きなうねりが発生します。

この状態になると、音圧は高いのですが洗浄効果につながりません。
(脱脂洗浄の場合、均一に油分をコーティングした状態になります)

洗浄効果を改善するためには、振動の非線形性が必要です。

そのためには、超音波の周波数や水槽サイズに対して
共振現象を連続的に発生させない時間設定が重要です。
(確実に設定を行うためには解析が必要ですが
洗浄効果と液面の目視観察でも慣れてくるとわかります)

これに対して、思い付きの設定は能率が悪く、危険が一杯です。

新しい設定を試す時には、
洗浄効果の評価、超音波の観察、その他の働きを観察することで
振動現象に関する超音波洗浄システムを把握出来たと感じるするまで、
詳細な条件設定に対する洗浄実験は避けるべきでしょう。

論理と経験の積み重ねが必要です。

<< 水槽と超音波出力 >>

これまでの話では、非線形現象としての超音波の動きは捉え切れていません。

非線形現象を発生させるためには、単調な超音波の制御を止める。

このために、水槽、液体、振動子・・による音響特性・相互作用を測定解析して、
低周波の共振現象を抑える。

この説明は何となく分かる気がしますが、

非線形現象と洗浄液(流体)の繋がりがはっきりしていないのです。

前回の話は、水槽の強度バランスを改善することで、

高調波(非線形現象)の発生が起きやすくなります。

このような水槽を利用して、
適切な液循環を実現することができれば、
非線形現象の減衰(低周波モードの発生)は、問題になりません。

非線形振動に対する液循環、
あるいは超音波振動により発生する音響流の発生現象がありますから、
これはかなりの難問です。

水槽のサイズ、洗浄液の量、超音波振動子の最大出力、・・
個別の振動現象を測定することと
相互作用としての振動(音圧)測定解析に基づいて
実験的に、音響流を最適化する以外に方法はありません。

そこで、まず超音波出力に注目すると、
脱気水(3-5mg/l程度)を使用して、
液循環を行わない状態で、超音波照射を行います。
この時、水槽の音圧(振動モード)を測定することで、
水槽強度と超音波出力の関係が分かります。

高調波の発生状況は、水槽の強度が十分であることを示していますが、
低周波(サブハーモニック)の発生は、
出力を下げて使用する必要性を示しています。

さらに、音圧データの変化から
水槽構造に問題があると、

水槽の固有振動モードによる共振現象を確認することができます。

この場合も、出力を下げて使用することになります。
(水槽構造を変更する必要性を示しています)

この観察結果から、
「右肩を背骨に引き付け、右腕を内側に回す」動きで、
広背筋による引き戻しの準備態勢に入ることが確認できます
(単に肩を右に回すだけではこの体勢には入りません)。

音圧データについて詳細な(非線形現象に関する)解析確認を行うことで、
水槽に対する、超音波出力の適正範囲が確認できます。

多くの事例として、
強度バランスの悪い水槽に対する、高い超音波出力の設定が、
騒音(低周波の共振現象)を発生させ
洗浄効果に大きなバラツキを発生させている原因です。

音圧の高い、強いキャビテーションが洗浄効果を改善すると思いこんできた人には、
すぐには納得できないが、洗浄効果の確認・・により、新鮮な体験になります。

<< 超音波水槽の構造 >>

これまでの話で、
強いキャビテーション状態を理想と考えている人が多数いるという話をしてきました。

超音波(振動子、振動板、発振機)キャビテーションだけで進めると
大出力で複数の超音波を使用することになります。

しかし、多くの結果として、

洗浄効果の低下、超音波寿命の短期化、騒音問題の発生・・・
良好な展開につなげられません。
まだまだ誤解の危険が残っています。

超音波の振動現象は様々な要因の集まりで、
液体・弾性体の振動の複雑さが大変なものであることは

音響流の検討からほぼ理解できます。

これに比べると、安定したキャビテーションを実現する仕組みは比較的簡単に見えます。

キャビテーションが減衰する主要因は、以下の3点です

1)超音波出力に対する、水槽との強度バランス
2)超音波発振部(振動子、振動板)の設計
3)水槽・振動子の設置方法

この要因について、設定を誤るとキャビテーションの減衰
あるいは伝搬する、超音波周波数の低下が起きます。

問題の発生経過として、単調な超音波発振により
水槽の強度不足の部分が、低周波の振動モードで共振を始めます。

あるいは、洗浄液の各種分布により、超音波が屈折・透過・反射することで
液体の流れに合わせた、共振モードを発生する場合があります。
(通常、大きな騒音になります)

これらの動きの組み合わせで、
体の外側に振り出されている右腕を内側に回しながら体の前に引き戻せば、
右腕の振りの基本的な動きが実現します。

これらのことを考えて、
費用・製造方法を考慮した、水槽構造を設計開発します。

ポイントは以下の2点です

1:溶接 角部での溶接を極力避ける。折り曲げて突合せ溶接を採用する。
2:水槽の固有振動数が高くなるように
断面2次モーメントのバラツキを最小限にする。

この技術の背景は
 流体力学、材料力学に基づいた振動工学を利用する知恵です。

<<< 超音波洗浄原理 >>>

超音波洗浄の原理に関する、多くの資料には、
超音波の発振周波数に対応した音波の波長と汚れの対応を説明したものが多数あります。

特に、発振制御と出力調整により安定したキャビテーションを発生させるための
様々な工夫について詳細な説明が行われています。

この結果、洗浄目的に合わせた、安定したキャビテーションにより
洗浄効果が発生するというのです。

如何にも合理的に見えますが、問題があります。

超音波の発振周波数により伝搬する超音波は
高調波、低調波・・・幅広い周波数が伝搬するのですが
洗浄液の状態(各種濃度分布・・)、水槽の状態(強度、設置方法・・)
により、伝搬周波数は大きく変わります。

具体的には、40kHz 1200W の超音波発振により
5-6kHzの振動が主体となって伝搬している状態が多数あります。
この音を耳にしても、
40kHzが伝搬しているという判断が行われています。

そこで、40kHzの発振が5-6kHzになってしまう原因として
超音波出力と水槽の強度バランスを考えます。
多くの水槽事例では、水槽のサイズバランス・構造・・に問題があり
低調波(サブハーモニック)が発生します。

応急対策として、40kHzの超音波を伝搬させるために
出力を下げます、すると水槽強度が十分になり、
高調波の発生を含めた超音波伝搬を実現します。

このことを、「強いキャビテーションによる麻痺」と呼んでいます。

そこで、出力を下げた超音波伝搬状態の洗浄を実現するために
非線形現象の変化を実現させます。
具体的な方法は、以下の通りです。
1)液循環ポンプのON/OFF制御
2)超音波のON/OFF制御
3)洗浄物の揺動操作
4)洗浄物と材質の異なる治工具の利用
5)その他・・・

これが、非線形現象(音響流)を主体とした超音波洗浄原理です

キャビテーションや音響流で単純に説明できる原理ではありません。

超音波伝搬状態の変化を詳しく観察して洗浄効果を考えるという
意識変化が必要だと考えています。

<<< 非線形超音波伝搬現象 >>>

キャビテーションと音響流の働きは微妙で、
これを把握しなければ思うような振動現象を実現できないのが超音波洗浄の実態です。

しかし、超音波の発振周波数の音圧レベルを調整しているだけでは
洗浄効果の改善にはつながりません。
洗浄効果の働きに関係するイメージとして、
音響流(非線形現象)があります。

ところが、これらのイメージは洗浄セミナー・・では説明しないことが多く、
超音波発振周波数の音圧レベルを上昇させることばかりになります。

ここで頭を冷やして、
音響流がどうして洗浄効果につながるのかを考えなくてはなりません。

始めに答えを書きます。非線形現象が発生しているのです。

何を言っているのか?と感じるでしょう。
これには条件があり、非線形現象を継続するのです。
難しい理由として、「非線形現象は単調な制御により無くなってしまいます」。

単調な(ONOFF制御:ONの時間とOFFの時間が同じ)
液循環ポンプや超音波の制御では共振現象により
低周波の発生あるいは騒音問題に発展してしまいます。

時間経過に伴う音圧データの変化を
時系列データの統計解析手法で解析・確認しながら
各種制御の設定を実現すると
安定した非線形現象(複雑な変化)を
目的に合わせてコントロールできます。

次の問題として、より高いレベルの洗浄に関しては、
メガヘルツの超音波制御を追加して
高い音圧レベルで、高い周波数(高調波)の
非線形超音波伝搬現象を実現させることです

<<< キャビテーションと音響流の論理モデル >>>

理想的には、
高い音圧のキャビテーションが、高い周波数(高調波)の音響流を発生させる
と言うことが考えられるのですが、
通常では考えられない状態のような気がします。

ところが、均一で強度バランスの良い水槽を製造して
設置による音圧の減衰を押さえる工夫を実施すると、
超音波によるエージング効果・・により
一定期間の使用が経過すると、
高い音圧のキャビテーションと高い周波数の音響流が生み出されるのです。

さて、超音波洗浄に関して
各種制御による、超音波のコントロールが重要である
という説明を読んだ記憶があります。

確かに、安定した音響流の発生が実現できるように思えます。

超音波洗浄器で簡単な実験を行って見ます。
(超音波のON/OFF制御、あるいは液循環のON/OFF制御)

そこで、音圧データを解析(非線形現象の解析:バイスペクトル)しながら
超音波の出力・ON/OFF、液循環・流量ON/OFF制御設定を
(洗浄効果の評価に基づいて)最適化することで、
高い音圧レベルによる
高い周波数(高調波)の
超音波伝搬状態が実現できました。

洗浄効果(目的)に合わせた
非線形現象を発生させる
制御条件を考えられる、論理モデルが重要だということになります。

超音波洗浄技術としては、
「流体が振動する非線型現象をコントロールする」と言うことになります。

詳細は、うまく説明できないのですが、
超音波システム研究所は、
抽象代数学のコホモロジーと圏論を利用して
キャビテーションと音響流の論理モデルを考え、
コンサルティング対応時に使用しています。

<<< 超音波の音圧測定 >>>

超音波洗浄器(機)の実験で、
アルミ箔のダメージの様子で
キャビテーションの強さを評価する方法があります。

短時間で、アルミ箔が粉々になることが
超音波洗浄効果につながるという考え方に展開します。

キャビテーションの強さは、音圧レベルの高さにつながる傾向はありますが
単調な音圧は、高い音圧でも対象物への刺激は強くありません。
(特に、50kHz以下の超音波の音圧は、波長が長いため
小さい汚れにはほとんど刺激となりません。
柔らかく抑えているようなイメージです。)

超音波洗浄資料には
周波数と汚れの関係が記載されているものがありますが、
汚れの材質・形状・付着力・・・に対して
キャビテーションが汚れを除去するというような表現です。

しかし、文字通り解釈すると
キャビテーションは振動現象です
水槽内でのダイナミックな、汚れの移動にはつながりません。

そこで、キャビテーションとともに
流れを発生する非線形現象(音響流)の働きが問題となります。

結局、汚れを除去する音響流とはどのようなものかを知らなくては、
自然な、超音波洗浄現象も分からないことになります。

超音波の伝搬状態について
時間経過とともに変化(音圧・周波数)する様子を把握しないと、
洗浄目的に対して、洗浄物の表面に伝搬する
効果的な超音波の状態も分からない。

効果的な超音波の伝搬状態を無視して
「キャビテーションによる洗浄」などと言われても、
これから超音波洗浄システムを開発・改良しようという人にとっては
何の役にも立たないことになります。

結局、洗浄効果につなげるためには、
洗浄対象物の表面を伝搬する超音波の状態をとらえることが先決問題となります。

実際に音圧測定データからは
様々な音圧形状(グラフ)が見えます。
洗浄水槽に洗浄物を入れることで
水槽・洗浄液・超音波の相互作用により
複雑な反応が見られます。

その結果、洗浄器・水槽の設置・固定方法により
超音波振動が、設置面に効率良く伝搬すると
超音波が大きく減衰する場合があります。
あるいは、水槽・洗浄液との共振により
低周波の振動が強く発生し
騒音になる場合もあります。

音圧測定から得られる情報・事実、
瞬間的な音圧データや音圧レベルの高さではなく
複雑な音圧変化(非線形性)の重要性を読み取ることができます。

これが、
「超音波の重要(効果的)な要因は、音響流である」と言うことです。

<<< 超音波洗浄とキャビテーション  >>>

超音波洗浄セミナー終了後の質問で、
以下のような経験を多数しています。

これまでに、超音波洗浄の原理として、
キャビテーションに関する説明を受けてきましたが、
洗浄経験から、ほとんど納得できませんでした。

セミナーの説明にある「非線形現象による音響流の効果」は
詳しいことは理解できないのですが、
洗浄現場の状況に対して非常に納得できます。

単純な洗浄成功事例を、キャビテーションで説明することは
簡単に理解できるため、幅広い応用ができると思いがちです。

洗浄対象物(形状、材質、数量、・・)が異なる場合
キャビテーションで単純化した洗浄方法を応用すると
全く異なる超音波伝搬状態を目標にしているような危険にさらられます。

洗浄状態を改良しようとしても
単純化した洗浄原理に基づいた対策が行われるため
洗浄効果が表れないで、逆効果になっている事例を多数見ています。

単純な洗浄モデルで考えた場合
洗浄対策も単純になる傾向があります。

洗浄の難しさは、簡単に洗浄できた経験者や
超音波の複雑な音圧変化を測定確認していない人には理解できないでしょう。

30年ぐらい前の脱脂洗浄レベルに関しては
「超音波洗浄はキャビテーションの効果である」という表現も
間違えだといえない状況だったと思います。

ナノレベルを問題にする、洗浄に関しては
「超音波の重要(効果的)な要因は、音響流である」という考え方が必要です。

実際に、キャビテーションで洗浄していることは確信が持てないものです。

洗浄モデルで考えても分かりませんから
超音波洗浄器の実験で確認しましょう。

簡単な汚れ(例えばスプーンに油を塗る)で洗浄実験しましょう。

液循環のON/OFF制御や、スプーンの揺動操作・・により
洗浄液の流れによる
洗浄効果・再付着に対する効果・・確認することができます。

これだけの実験でも、
音響流の利用が重要だということが解ります。
(汚れの動きを詳しく観察することを繰り返すと
複雑な音響流を見ることができるようになります)

洗浄関係者(特に、精密洗浄関係者)にとっては、
「キャビテーションで洗浄する」と言うような表現は
大変危険だということが分かります。

超音波洗浄の現実は
洗浄物の特性を含め非常に難しい事象(非線形現象)なのです。

<< 超音波の非線形現象 >>

超音波洗浄効果の高い装置は、キャビテーションを考慮した洗浄水槽を使用して
音響流の効果を最適化した振動子・振動板を設置します。

普通の超音波洗浄機は、洗浄物により
様々な、キャビテーション・音響流が発生します。

どうしても、目に見える、あるいは聞こえる範囲での状態評価に集中します。

ところが、ソ連の超音波に関する書籍
「超音波工学と応用技術」ベ.ア.アグラナート/[他]共著には、
「超音波洗浄について、最も重要(効果的)な要因は、音響流である」
と言うことが記載されています。

音響流に関して以下のような説明がありますが、
測定・解析・評価については、はっきりしません。

一般概念
有限振幅の波が、気体または液体内を伝播するときは、音響流が発生する。

音響流は、
波のパルスの粘性損失の結果、自由不均一場内で生じるか、
または音場内の障害物(洗浄物・治具・液循環)の近傍か
あるいは振動物体の近傍で、
慣性損失によって生じる物質の一方性定常流である。

音響流は、
大多数の超音波加工工程、浄化、乾燥、乳化、燃焼、抽出・・・過程での
重要な強化因子であり、媒体内の熱交換と物質交換を著しく促進する。

加工工程での音響流の作用効果は、それらの速度と寸法因子によって決まる。
こうなると、キャビテーションと音響流の議論になり、対応が難しくなります。

そこで、キャビテーション・音響流の影響として
複雑な超音波の音圧変化を統計解析することを考えます。

簡単な実験として、
超音波洗浄器で、液循環がある場合と無い場合の違いを調べます。

ここで、液循環量の変化に合わせて、超音波による音圧変化の様子を観察・測定します。

測定した、音圧データを検討・解析(自己相関・バイスペクトル)することで
超音波における非線形現象をはっきり確認できます。

「超音波工学と応用技術」ベ.ア.アグラナート/[他]共著には、
「流体が振動する現象は非線型理論の集積です」と指摘しています。

従って、超音波の音圧測定・解析・評価により、非線形現象を確認することは
 超音波の効果的な利用に発展できることになります。

2019.4.26

 

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