<物の動きを読む数理
-情報量規準AIC導入の歴史->
「第22回京都賞記念講演会」 2006年11月11日(土)午後1時~4時30分
赤池 弘次 (Hirotugu Akaike)
日本 / 1927年11月5日(78歳)
統計数理学者、統計数理研究所名誉教授
「情報量規準AICの提唱による
統計科学・モデリングへの多大な貢献」
情報数理の基礎概念に基づく、
実用性と汎用性の両方を兼ね備えた、
統計モデル選択のための規準
Akaike Information Criterion(AIC) の提唱により、
データの世界とモデルの世界を結びつける
新しいパラダイムを打ち立て、
情報・統計科学への多大な貢献をした。
講演 赤池弘次博士 (基礎科学部門 受賞者)
以下講演メモ
「なっとくがいくまで考え続けることが大切」
実用性と汎用性
知識を有機的に利用することの有効性を体感
自他の生命の尊重が道徳の基本と認識して安心
時間とともに変動する現象の解明を目指す -> AIC
予測 -> 確率-> 期待値-> 行動決定の目安
数が増えると統計が確率になる
温故知新
生み出す仕組み(モデル)
データを利用してモデルを特定
生糸工場の解析(異常の判断)
不規則振動の解析( パワースペクトル いすゞ自動車 )
システム特性の測定(運輸省 自動車・船・建物
プログラム作成:1964年 世界的に先駆的)
セメント解析(秩父セメント)
複雑なものの制御
システムの特性を求めたいが難しかった(理論:カルマン 伊藤清 他)
変動が大きな実プロセスでは実用化は困難
モデルの次数の評価法
->実用化(セメント 1972年 TIMSAC
1991年に高い評価を得る)
火力発電所例
水量・燃料・空気 の調節 5Fビル
ARモデルの効果
現場が評価する発言
実プロセスは日本から(例 世界のボイラーへの利用)
一般のモデルの誤差?
尤度(ゆうど)
もっともらしさは確率ではない
過去から現在:確率
現在から過去を見る:ゆうど
真理への近さ・遠さを情報量で測定できる
モデルの調整
AICの必要性(AICが小さいものが良い)
1971年 -> 1992年 統計学の理論的貢献掲載の書物に掲載
1974年 応用分野からの積極的な反応
哲学者の反応
哲学 AIC
オッカムのかみそり パラメータ2
仮説の提案 モデルP
真理 推論
新しいモデルの開発
モデルを自由に作る
ベイズ・モデル
パラメータの分布
客観・主観->ベイズを徹底的に調べる
->!!!単に一つのモデルに過ぎない
ベイズモデルの実用化
経済モデル
地球物理観測
・・・
具体的な問題に具体的な方法を考える
問題をとこうとする目的意識とこれを追求する粘りが実現
研究者の意欲と粘りは目覚しかった
AICが生まれた
やろうとしたら目的を明確にして粘り続ける
参考 http://www.ism.ac.jp/akaikememorial/index.html
超音波システム研究所は、
超音波利用に関して、
<統計的な考え方>に基づいて、抽象代数学を利用した
効果的な「超音波発振制御システム」を開発しています。
<統計的な考え方について>
統計数理には、抽象的な性格と具体的な性格の二面があり、
具体的なものとの接触を通じて
抽象的な考えあるいは方法が発展させられていく、
これが統計数理の特質である
超音波の研究について
「キャビテーションの効果を安定させるには統計的な見方が不可欠」
<モデルについて>
モデルは対象に関する理解、予測、制御等を
効果的に進めることを目的として構築されます。
正確なモデルの構築は難しく、
常に対象の複雑さを適当に”丸めた”形の表現で検討を進めます。
その意味で、
モデルの構成あるいは構築の過程は統計的思考が必要です。
<モデルと現状のシステムとの関係性について>
( 考察する場合の注意事項 )
1)先入観や経験は正しくないことがあると考える必要があります
2)モデルの本質を考えるためには、
圏論(注)を利用することが有効だと考えています
(実際に応用化学や量子論などで積極的に利用されています)
注:圏論は、数学的構造とその間の関係を抽象的に扱う数学理論
<論理モデルの作成について>
(情報量基準を利用して)
1)各種の基礎技術(注)に基づいて、対象に関する、
D1=客観的知識(学術的論理に裏付けられた理論)
D2=経験的知識(これまでの結果)
D3=観測データ(現実の状態)
からなる 「情報データ群 」、DS=(D1,D2,D3) を明確に認識し
その組織的利用から複数のモデル案を作成する
2)統計的思考法を、
情報データ群(DS)の構成と、
それに基づくモデルの提案と検証の繰り返し
によって情報獲得を実現する思考法と捉える
3) AIC の利用等の評価方法により、
様々なモデルの比較を行い、最適なモデルを決定する
4) 作成したモデルに基づいて
超音波装置・システムを構築する
5) 時間と効率を考え、
以下のように対応することを提案しています
5-1)「論理モデル作成事項」を考慮して
「直感によるモデル」を作成し複数の人が検討する
5-2)実状のデータや新たな情報によりモデルを修正・検討する
5-3)検討メンバーが合意できるモデルにより
装置やシステムの具体的打ち合わせに入る
上記の参考資料
1)ダイナミックシステムの統計的解析と制御
:赤池弘次/共著 中川東一郎/共著:サイエンス社
2)生体のゆらぎとリズム コンピュータ解析入門
:和田孝雄/著:講談社
ポイントは
表面弾性波の利用です、
対象物の条件・・・により
超音波の伝搬特性を確認することで、
オリジナル非線形共振現象(注1)として
対処することが重要です
注1:オリジナル非線形共振現象
オリジナル発振制御により発生する高調波の発生を
共振現象により高い振幅に実現させたことで起こる
超音波振動の共振現象
様々な分野への利用が可能になると考え
各種コンサルティングにおいて提案・実施しています。
超音波(論理モデルに関する)研究
http://ultrasonic-labo.com/?p=1716
参考動画
<<< 論理モデル >>>
通信の数学的理論
http://ultrasonic-labo.com/?p=1350
音色と超音波
http://ultrasonic-labo.com/?p=1082
モノイドの圏
http://ultrasonic-labo.com/?p=1311
物の動きを読む<統計的な考え方>
http://ultrasonic-labo.com/?p=1074
超音波の洗浄・攪拌・加工に関する「論理モデル」
http://ultrasonic-labo.com/?p=3963
<<< ダイナミック制御 >>>
<超音波のダイナミック制御技術>
http://ultrasonic-labo.com/?p=2301
超音波のダイナミック制御技術を開発
http://ultrasonic-labo.com/?p=2015
オリジナル技術(液循環)
http://ultrasonic-labo.com/?p=7658
<超音波のダイナミックシステム:液循環制御技術>
http://ultrasonic-labo.com/?p=7425
<<< 音圧測定・解析 >>>
超音波測定解析の推奨システムを製造販売
http://ultrasonic-labo.com/?p=1972
超音波<計測・解析>事例
http://ultrasonic-labo.com/?p=1705
超音波プローブの<発振制御>技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=1590
超音波プローブによる
<メガヘルツの超音波発振制御>技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=1811
超音波<発振制御>技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=5267
オリジナル超音波システムの開発技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=1546
表面弾性波の利用技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=7665
精密測定プローブ
http://ultrasonic-labo.com/?p=11267
超音波の音圧測定解析データを公開
http://ultrasonic-labo.com/?p=2387
超音波の音圧測定解析システム「超音波テスターNA」
http://ultrasonic-labo.com/?p=16120
統計的な考え方を利用した超音波
http://ultrasonic-labo.com/?p=12202
超音波技術:多変量自己回帰モデルによるフィードバック解析
http://ultrasonic-labo.com/?p=15785
音圧測定解析に基づいた、超音波システムの開発技術
http://ultrasonic-labo.com/?p=15767
「超音波の非線形現象」を利用する技術を開発
http://ultrasonic-labo.com/?p=1328